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Daily life of pet

2009年11月04日

判断力(担当獣医師 ブログ管理人Dr.X)

獣医師に求められる能力について考えることがあります
手術や処置をうまくできる器用さ、
多くの医学を知る知識力、
その知識を得るための情報力、
飼い主様やスタッフとのコミュニケーション能力 etc etc
そして僕が常々重要と考えているのが
「判断力」です。
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子供に
「大人はテストがなくてええなぁ、、」
と言われたことがあります。
たしかに、
テストといえるものを受けたのは、、、、
獣医師国家試験が最後だったのでは? 
もう20年以上前の話です。
(そのわりには、しょっちゅうテストの夢でうなされてますが・・・)
中には横内先生奥村先生のように専門獣医師を目指し 
テストにチャレンジしている先生方も多くおられます。

しかし、ふと考えてみると
獣医って毎日いくつもテストをうけているようにも思います。

第1問
4歳のシーズー犬♀のYちゃん
3日前から食欲元気がない
昨日は下痢をしています
問診でオシッコの量が多いこと
1ヶ月前に発情期があったことがわかりました。
考えられる病態すべてと検査項目をあげなさい。

第2問
非常に凶暴な13歳の柴犬のT君が
手首の骨折です
手術まで包帯で仮固定をしたいのですが
鎮痛薬と鎮静薬は何を使えばよいでしょう。

第3問
末期の脳腫瘍で発作をくりかえす雑種犬のHちゃんの飼い主様は共働きで、お昼のあいだHちゃんは一人ぼっちです
飼い主様はそれでも自宅での介護を望まれています
さて、穏やかなHちゃんの余生のために考えられる方法は?

といった感じです。

毎日がテストの積み重ね
常識的な問題もあれば
超難問もあります
答えが無い問題や
いくつも答えがある問題
飼い主様の状況によって答えも変わってきます。
毎日、毎日その解答
つまり「判断」を積み重ねていくのです。

もちろん、これは獣医師だけでなく
多くの仕事をこなしておられる大人すべてに言えることかもしれません。

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

この医療現場(人医、獣医ふくめて)の判断力について
学生時代に読んだ渡辺淳一氏の短編小説が深く心に残っています。
ご存知の方も多いと思いますが、
渡辺氏は札幌医科大学御出身の医師でも在られます。 
一つの小説をきっかけに医療現場を離れられましたが
医療現場の空気を知っておられる作家ということになります。
渡辺氏の作品は大雑把に
みなさんよくご存知の「失楽園」を代表とする男と女のドロドロズルズル恋愛物
リアルな野口英世の生涯を綴った「遠き落日」を代表とする伝記物
そして医療現場の人々を描いた医療物の3つに分かれます
学生時代にこの医療物をよく読みましたが
そのなかでも上で触れた短編小説
タイトルを「少女の死ぬ時」は
深く心に残りました。
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14歳の少女の心肺蘇生をする2人の医師
ベテラン外科医と若い小児科医
ほぼ全篇、入院室での2人の会話のみの静かなストーリーです。
医療処置内容や医療を取り巻く環境は「昭和」の話で
今読むと不自然に感じる部分もありますが
まだ何も知らない学生だった僕に
獣医療ではありますが
医療現場の「人間」が下す「判断」というものについて
深く考えさせられた作品であり、
今、読んでも新たに思慮を深めさせられる作品です。
ご興味のあるかたは御一読を、
渡辺淳一の短編集「白き手の報復」の中にあります
おそらく絶版だと思いますが
Amazon.co.jpとかで探せば古本がたくさん出てるはずです。

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また、この作品はドラマ化もされ
偶然見る機会がありました
きりぎりす」と改題され 
ベテラン外科医の役を 緒形 拳
若い小児科医の役を 奥田 瑛二
だったと思います。
これも、名優の醸し出す雰囲気が
なかなか味のある作品にしていました。
原作の中でベテラン外科医の
「俺が手を止めたら心臓が止る、小便がしたくなっても、やっている間はこの場でたれ流しだ。」
という台詞があるのですが、
ドラマの中では若い小児科医(奥田)が実際に「たれ流す」(@o@)設定だったのを思い出します(^^ゞ
DVDとかは無いみたいなので
幻の作品ですね。

「判断」

獣医師として最も疲れる仕事です。

投稿者 yoshidaac : 2009年11月04日 11:46

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コメント

 もう「題」も忘れていました。たぶん昔に見ました。でも、少女の体に乱暴にかけれれるJ、心マッサージで、しびれて動かなくなる「手」、看護師とのけんかのようなやり取りや、その中で取り残されたような両親の姿が今でもよく覚えています。前半のたんたんとした流れから、少女をもどしたいという
強い思い。いつが終わりなのだろう。終わるのかしら。とドキドキしながら見たのをおぼえています。
 わが家のわんこも最近、ドクターの「判断」で助けていただいたと感じています。
 なんの知識の持たない患者と飼い主にとって、頼れるのは、ドクター(看護師のみなさまもです。)だけです。
 これからもよりベターな「判断」をお願いします。

投稿者 Anonymous : 2009年11月05日 16:26

匿名さん
コメントありがとうございます

記憶に残っておられましたか!
少しベテラン外科医が高飛車?な感じでしたよね
それだけ器械や道具やデータに頼らず
一人の人間の医師がすべての判断を行っていた
そんな時代だからこその横柄さが見えるのかもしれません。

今、獣医療現場にいる僕たちは
いろんな判断を数字や画像に頼っています。
それだけ、人による診療のムラは無くなってきています。
それでも、最後は人間力
人間の判断力がものを言うところがあります
病気の動物たちと
家族のみなさんのための
より良い判断を心がけていきます。

◎補足です(^^ゞ
「少女の死ぬ時」ですが
今、発売中の
「渡辺淳一 自選短篇コレクション 第一巻 医療小説Ⅰ」
っていうのに収められていることを知りました。
「白き・・・」の方は
医療物なんですが、ネバネバした感じの話が多いので
短編コレクションの方の内容の方が好きです。僕

投稿者 ブログ管理人 Dr.X : 2009年11月05日 21:12

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